個人ボランティアからNPO法人までのステップ

 なにかおこないたい活動があり、組織化をしたほうがいいのか、どうなのか。NPO法人になったほうがいいのか、どうなのか。迷われる方も多いのでは。
 まず、個人ボランティアからNPO法人になるまでの4つのステップを振り返りましょう。

 多くの活動は「個人の誰かの気付き」から始まります。賛同する仲間が増え、活動が広がりをみせると、団体の規則を作ったり、役割分担をしたり、と組織的に動くようになってきます。そのうえで、所轄庁への法人設立認証を経て法務局での法人設立登記が完了するとNPO法人として活動できるようになります。
 上記の図でいいますと、Step1とStep2の間には、1人で活動するか複数人で活動するかで明確な線引きがなされます。Step3とStep4の間には法人化という明確な線引きがあります。

 法人化されていない団体を「任意団体」といいますが、この「任意団体」であるStep2とStep3の間には明確な線引きはありません。あらゆる形態の任意団体がいるからです。
 一般的に、Step2以降を「NPO等」「NPO・ボランティア団体等」としてまとめて表現することが多くなっています。 

 これから設立しようとする団体が、Step3まででとどめるのか、法人格を取得しStep4まで進めるのか、どちらがいいのかは団体の性格にもよりますので悩ましい問題です。じっくりと検討する必要があります。

段階を踏んでいく

Step1→Step2 個人ボランティアからボランティア団体へ
 この段階では、ご自身がおこないたい活動に賛同してくれる仲間を募り、少しずつ活動を広げていくフェーズです。熱い想いを持ったみなさんと出会える可能性も高いと思われます。
 ただ、この段階でもあまり無理をしないことが大切です。なかにはご自身の想いを他人に押し付けてしまうこともあります。調和を取りながら仲間を増やしていくことが大事です。

Step2→Step3 ボランティア団体からNPO(市民活動団体)へ
 活動が軌道に乗ると、徐々に組織外の方との連携が増えてきます。例えば、自治体や社会福祉協議会などが設置しているボランティアセンターや市民活動センターへの団体登録や利用、団体としての銀行口座開設、助成金や補助金の申請・獲得、近所の別の団体との連携・協働などが挙げられます。
 こうしたときに団体の規約や会員名簿、事業計画書や予算書の提出が必要になることがあります。法人格は持たなくても、このように組織として活動を継続できる体制づくりを行う必要が出てきます。

Step3→Step4 NPO(市民活動団体)からNPO法人(特定非営利活動法人)へ
 Step3から先は団体の実情に応じてご判断いただきたいポイントです。
 法人格を取る大きなメリットは「団体として責任行為ができる」こと。また介護保険事業や障害福祉サービス事業をはじめ、特定の事業をおこなうにはなんらかの法人格が必要になるケースがあります。

 しかし、NPO法人になると毎年の事業報告書等の提出などの法定義務があるほか、必要な事務は確実に増えます。法人格を取得するメリットと、それにともなって発生する事務量を天秤にかける必要があります。なお、NPO法人ではなく一般社団法人を選択するケースもあります。

 日本NPOセンターと公益法人協会が実施した「非営利法人格選択に関する実態調査」を元に、NPO法人と一般社団法人の違いをまとめました。

NPO法人 一般社団法人 
設立手続  所轄庁の認証と登記 公証人の定款認証と登記 
設立にかかる日数 2〜3ヶ月  特になし 
対象となる活動  法律に定める20分野  特になし 
法人税  法人税法に定められた収益事業に課税  原則は全収入に課税。非営利徹底型など要件を満たせば法人税法に定められた収益事業に課税 
情報公開  所轄庁・内閣府NPOホームページでの閲覧、事務所での備え置き  定款や社員名簿等の事務所への備え置き 
社員数  10名以上  2名以上 
理事数  3名以上  1名以上(理事会を設置する場合は3名以上) 
監事数  1名以上  任意(理事会を設置する場合は1名以上) 
設立費用  実費程度(認証や登記に関する費用は無料)  約12万円(認証・登記にかかる費用) 

 こうした違いも踏まえてご検討ください。敢えて法人格を取らず、任意団体のまま存続するケースも多数あります。法人格は、取得することがゴールではなく、さらに活動を発展させるスタートである、とお考えください。


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